加納  武


Saigusagami Kobo 幸草紙工房

紙が漉けることに感謝しながら、伝統技法と天然素材を守り続けていく。

薪を焚べ、大きな釜で楮を煮る。まるでサツマイモをふかしているような甘くて優しい匂いが、真っ白な湯気に乗って漂ってくる。10代の頃から伝統工芸に興味を持ち、高山で張り子を作っていたときに美濃和紙と出合った。故郷に戻り、紙漉き業の門を叩いた。

得意とするのは、良質な那須楮で漉く薄美濃紙。栃の一枚板に張り付けて天日干しする。師匠から教わった伝統技法を忠実に守りながら、今日も一枚、また一枚と真面目に紙と向き合う。「今、好きなことを仕事にできているのは、美濃和紙の伝統と師匠の力」、「原料を栽培する人、道具を作ってくれる人がいて、自分はその恩恵を受けているだけ」と、どこまでも謙虚だ。

「これからは職人同士の横のつながりも大切にして、皆で協力しながら、産地としてこの仕事を次代に繋げていきたい」。

優しく穏やかな口調の中に感じる強さは、加納さんが漉く薄美濃紙の、しなやかな強靭さによく似ている。

プロフィール


岐阜県美濃市生まれ。高山市で木工を学んだのち、和 紙工芸品の張り子作りに携わったことがきっかけで美濃和紙に興味を持つ。1998年に「美濃・手すき和紙基礎スクール」を受講後、美濃和紙の里会館で手すき和紙体験指導員として従事。2000年より伝統工芸士であった後藤茂氏に師事。2002年に独立し「幸草紙工房」 を設立。伝統工芸士。「本美濃紙保存会」会員。


製作作品一覧

楮紙

サイズ:65 × 98cm

原材料:美濃楮

Kozo Paper

Size: 65 × 98 cm

Materials: Mino mulberry

粕入・白

サイズ:62 × 92cm

原材料:国産楮

Kasuiri Paper

Size: 62 × 92 cm

Materials: Japanese mulberry

粕入・黒

サイズ:62 × 92cm

原材料:美濃楮

Kasuiri Paper

Size: 62 × 92 cm

Materials: Mino mulberry


下漉紙

サイズ:65 × 98cm

原材料:国産楮

Gezuki Paper

Size: 65 × 98 cm

Materials: Japanese mulberry

薄美濃紙

サイズ:65 . 3 × 96 . 8cm

原材料:大子那須楮 100%

Usumino Paper

Size: 62 × 92 cm

Materials: 100% Daigonasu mulberry