「紙漉きのことなど何も知らずに結婚しました。そうしたら朝・昼・晩と紙漉きの話ばかり。昔は4時に起きて8時頃まで交代で紙を漉いていました」、紙漉き業の家に嫁ぎ、先代の姿を見て、大変な仕事だと肌で感じていた。
結婚当初は主婦業と育児に追われて、紙漉き業には携わっていなかった。子育てが落ち着いてきたころ、先代から「出来る仕事でいいからやってみないか」と小さい漉き舟を作ってもらって、初めて和紙を漉いた。そこで和紙に惹かれ「もっと大きな判も漉いてみたい」と本格的に紙漉き業に打ち込んだ。
先代の鈴木竹一・はぎ夫妻から紙漉きの技術を受け継ぎ、工房を支え、美濃和紙の伝統を若者や美濃市の子ども達にも伝えてきた。文化財修復に使われる和紙を漉いているという誇りを持ち、1枚1枚気持ちを込め丁寧に漉く。
男性中心であった職人の世界からも本美濃紙の後継者と認められ、本美濃紙保存会会長に就任。若手の育成にも余念がない。
岐阜県郡上市生まれ。1977年、竹久氏と結婚、紙漉き業の家に嫁ぐ。1985年から「本美濃紙保存会」会員であった先代の鈴木竹一・はぎ夫妻に師事。以後、本格 的に紙漉きに従事。1994年「美濃竹紙工房」を継承。 伝統工芸士。「本美濃紙保存会」会長。
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